輪島塗の起源・特徴

輪島塗の起源に関しては、根来寺の僧が輪島重蓮寺の什器を製作したという様々な伝承があります。近年、周辺の考古学的発掘により、輪島特産の地の粉(珪藻土)を使用した漆器などの遺物が見つかり、その起源を平安時代まで遡るとする推測もあります。

輪島特産の地の粉は、かつて輪島が海底にあった時に堆積したプランクトンの微細な珪殻で、その多孔性が漆を吸収して堅牢な下地を形成し、また熱い汁を入れても器の外側に熱が伝わらないという利便性をもたらします。地元産の欅やアテを使用した木地も特徴であり、これらは強風などの厳しい気候に耐えてきたため、木目が鋭く、弾力と強靭さを備えています。

製作に際しては、麻布で丁寧に布を着せ、地の粉を粗から密に使い分ける三段階の堅牢な下地法(一辺地、二辺地、三辺地)や、特に丈夫さが求められる部分には檜皮箆(檜の木口を叩いて獣毛のようにした独自の刷毛)を使用して漆を充分に染み込ませ、地縁引きなどで補強するなど、入念な作業が行われます。

輪島塗は1977年に重要無形文化財に指定されました。この際、原材料や技術の特徴に基づく指定要件が付与され、輪島塗技術保存会が保持団体として認定されました。

輪島塗技術保存会

輪島塗では、原材料の慎重な選定から始まり、木地の製作、漆塗り、蒔絵や沈金による装飾まで、多岐にわたる複雑な工程が存在します。これらの細やかな作業を守りながらも、生産を拡大するために、伝統的に以下のような分業が行われてきました。

挽物を担当する一椀木地、角物を手掛ける二指物、曲物を担当する三曲師、漆を塗る四塗師、沈金や蒔絵を行う五沈金、指物から分離した複雑な部品を朴材で作る七朴木地、塗面を磨いたり特殊な塗りを行う八呂色という八つの職種に分業され、それぞれの技術者が組織を形成しています。また、塗師から分離した研ぎ物は女性を中心に行われています。

これらの八つの職種を代表する職人や作家、そして学識者によって構成される輪島塗技術保存会が結成され、輪島塗の重要無形文化財の保持団体として認定されました。初代会長は前大峰(沈金)でした。

また、1967年には石川県輪島漆芸技術研修所が設立され、伝統的な漆芸技術の後継者養成事業が行われています。この研修所では、蒔絵や沈金の技術から、漆の製作、造形やデッサンまで幅広く教育が行われており、その講師には輪島塗技術保存会の会員や重要無形文化財保持者も多数参加しています。

輪島塗に関係する作家たち

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投稿者プロフィール

三冬花 谷崎未来
三冬花 谷崎未来
東京京橋の画廊、名古屋の骨董店であわせて10年以上勤務し、20年以上、骨董品や掛け軸、美術品の買取業務に携わっております。骨董品、掛け軸、美術品の査定買取は三冬花にお任せください。愛知県(名古屋市)、岐阜県、三重県、滋賀県のお客様はお気軽にお問い合わせください。出張料、査定料など一切無料です。(※内容によってはお伺いができない場合もございます)
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