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太田 儔の略歴　(Oota hitoshi)

昭和6年5月4日	岡山県に生まれる
昭和28年	磯井如真に師事
昭和46年	香川県漆芸研究所指導員
昭和50年	第22回日本伝統工芸展文部大臣賞受賞
昭和52年	石川県立輪島漆芸技術研修所講師
昭和56年	第28回日本伝統工芸展文部大臣賞受賞
昭和58年	香川大学教育学部教授
昭和59年	社日本工芸会理事
昭和62年	香川県文化財保護審議会委員
平成4年	第5回MOA岡田茂吉賞工芸部門大賞受賞
平成5年	紫綬褒章受章
平成5年	香川県文化功労者
平成6年	重要無形文化財『蒟醤』保持者に認定
平成31年11月18日	高松市の自宅で死去

香川漆器の顕著な特徴の一つは、蒟醬や存清の技法が継承されていることです。蒟醬はもともと東南アジアの漆工技法であり、籃胎の素地に加飾されるものです。籃胎は竹を編んで成形され、初期のものは薄い竹片を積み重ねて漆で塗られたものでしたが、日本においては木製のものに変化してきました。太田儔は岡山県出身で、磯井如真に師事して蒟醬や存清などの伝統的な漆芸技法を学び、幅広く研究を重ねて技術を磨きました。彼は籃胎を復興させると同時に、高度で複雑な竹編み技法を発展させました。竹片を漆で塗り、編む作業そのものが美しい装飾となるよう工夫され、異なる編み方を重ね合わせて表裏で異なる模様を作り出し、装飾性と素地の強靭性を兼ね備えました。

蒟醬は線彫りされた凹部に朱漆などを埋め、磨き出す手法で、文様が赤い線などで表現されます。太田儔は蒟醬の加飾技法に新たな境地を開拓し、縦・横・斜め方向に緻密な線彫りを繰り返す布目彫を工夫しました。これにより、単純な線文様だけでなく、微妙に変化する色彩も表現できるようになりました。この知的で詩情に富んだ加飾表現と、新しい籃胎の技法による素地の造形が組み合わさり、新鮮な現代感覚の優れた作品が多数生み出されています。また、太田儔は長年にわたり香川県漆芸研究所などで後進の指導に当たり、伝統的な漆芸技術の保存と伝承にも貢献しています。

蒟醤について

蒟醬は、古代中国の線彫りして色漆を埋めた技術(填漆)が、東南アジアに伝わったと考えられており、現在ではミャンマーやタイの漆工技術に見られます。蒟醬という名称は、東南アジアやインドなどで香木や石灰を包んでかむ風習に由来し、それらの品々を入れる籃胎の漆器や線刻された文様、さらにその文様を彫る技術までが蒟醬と呼ばれるようになったと言われています。日本では室町時代ごろから、タイ古陶の宋胡録とともに輸入され、茶道具などで異国趣味が珍重されました。日本の漆芸の代表的な技法として発展したのは、高松漆器の開祖である玉楮象谷(文化三〜明治三)の功績です。象谷は蒟醬のほかに存清、彫漆、籃胎漆器、木彫(讃岐彫)などを手がけ、従来の漆器産地にはない異国趣味に溢れた作品を残しました。

蒟醬には、鋼と地金を合わせたのみ状の刃物である彫刻刀が使われます。この刃物は剣と呼ばれ、角剣、刃剣、線引き用の剣などがあります。蒟醬の特徴は、角剣を使用した場合に最もよく現れ、彫り口に色漆を埋めた後に研磨されます。従来の線彫り中心から、点彫りや線彫りの重ねを通じて、複雑な色調の表現が工夫され、新しい表現が開拓されています。

太田 儔の買取

三冬花では、東海地方で太田儔作品の売却を考えている方に向けて、無料で出張買取をしております。愛知県（名古屋市）、岐阜県、三重県、滋賀県を含む地域で太田 儔作品の査定や売却を検討されている方はどうぞお気軽にお問い合わせください。

太田儔は1931年に岡山県で生まれ、漆芸家としての技術を磨いていきました。岡山大学での学びを経て、独自の漆芸技法、特に籃胎技法と布目彫り蒟醤を開発しました。これらの技術により、自然や日常をテーマにした温かみのある作品を多数制作し、数々の賞を受賞しました。香川県漆芸研究所や石川県立輪島漆芸技術研修所での教育活動や、国内外での展示会参加などを通じて、日本の漆芸を世界に広めることに貢献しました。太田の漆芸に対する探究心は、東南アジアや中国の技法を学ぶことにも及びました。彼の生涯と業績は、漆芸の分野における重要な遺産として評価されています。

三冬花では、太田儔作品の売却を検討されているお客様からのお問い合わせを心より歓迎しています。専門的な知識を持つスタッフが、お品物を丁寧に査定しますので、お気軽にご相談ください。

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