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藤代松雄の略歴　(Fujishiro matsuo)

大正3年4月21日	刀剣研磨師である藤代福太郎の三男として東京に生まれる
昭和2年	父・藤代福太郎に師事
昭和26年	「名刀図鑑」刊行
昭和30年	大太刀(号称々切丸太刀)(重要文化財二荒山神社所有)研磨
昭和31年	第九回研磨技術等発表会(財日本美術刀剣保存協会主催)無鑑査
昭和43年	同協会主催研磨技術研修会講師
昭和57年	藤代松雄刀剣鑑定書の発行開始
昭和63年	美術刀剣研磨技術保存会幹事長
平成5年	大太刀(号吉備津丸)(吉備津神社所有)研刀
平成8年	重要無形文化財「刀剣研磨」保持者に認定
平成16年6月12日	死去

藤代松雄は父親の藤代福太郎のもとで、14歳から家業である日本刀の研磨技術を学び始め、また兄である義雄から刀剣鑑定や研磨、刀剣押型の重要性について学びました。備前伝、相州伝、大和伝、美濃伝、山城伝などの特性を生かす研磨技法を習得した後、古刀から現代刀まで幅広い名刀の研磨に従事しました。特に、各地の寺社が所蔵する名品の研磨に力を注ぎ、有形文化財の保存に寄与しました。一方で、美術刀剣に関する研究書を執筆し、文化財保存の重要性を広く啓蒙しています。

下地研ぎでは、備水砥、改正砥、中名倉、細名倉、内曇砥の順に進みます。特に、仕上げ研ぎに関しては、硬い地鉄には柔らかい砥石を、柔らかい地鉄には硬い砥石を使い、刀に適した砥石を選んで進めていきます。拭きには、鉄肌と磁鉄鉱を微細に粉砕したものを使用します。

相州物のように地景が描かれた刀剣や、刃文が不鮮明な刀剣の研磨に優れ、刀剣の鑑識眼の能力は、研究書にも顕著に表れており、高い評価を受けています。

刀剣研磨について

刀剣類の研磨に関する記述は、古くは『延喜式』兵庫寮の造刀次第にも見られますが、その技法は日本刀の出現とともに進化したとされています。しかしながら、技法の進展の過程では、刀剣自体が継続的に研ぎ直されるため、研磨の成果が形として残りにくいとされています。帯刀が廃止された明治時代に、日本刀が美術工芸品として再評価され、研磨の技法も変化しました。具体的には、従来の切れ味を追求するだけでなく、地鉄の色合いを豊かに表現する「差し込み拭い」法から、地肌を華やかに整え、後刃を人工的に明るくする「鉄肌拭い」法へと変化しました。そして、本阿弥平十郎成重らの名匠により、現代刀剣に適した研ぎ方が完成しました。

研磨のポイントは、刀匠から受け継いだ新しい刃や錆の状態、肉置きの整形、刀身の地鉄の色合いや肌模様を研ぎ出すことであり、最終的には美術刀剣を生み出すことにあります。研磨作業は、荒研ぎから始まり、下地研ぎ、仕上げ研ぎに進みます。最後に、棟や鎬地に磨きをかけ、帽子を整えます。砥石は研磨の段階に応じて、段階的に肌理の細かい適切なものが使われていきます。

研磨の成功は、砥石の選択、刃に対する砥石の適切な当て具合、刀身の押し引きのバランス、鍛造や下地の状態、拭いの材料の処理方法などに関連しています。研磨の目的は、刀剣の地刃の美しさや特徴、制作された時代、そして刀工の作風までを研ぎ出すことにあります。

藤代松雄の買取

三冬花では、東海地方にお住まいで藤代松雄作品の査定や売却を検討されている方へ、無料で出張買取をしております。愛知県（名古屋市）、岐阜県、三重県、滋賀県など、このエリアで藤代松雄作品をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

藤代松雄は刀剣の研磨を通じて、その美しさを最大限に引き出す高度な技術を持ち、各地の社寺が所有する名刀の研磨や、美術刀剣に関わる研究書の執筆を行い、有形文化財の保存に貢献しています。

三冬花では、藤代松雄作品をお持ちの方からのお問い合わせを歓迎しています。売却をご検討の際は三冬花にご連絡いただければ、貴重なお品を丁寧に査定させていただきます。

買取品目

投稿者プロフィール

三冬花　谷崎未来

東京京橋の画廊、名古屋の骨董店であわせて10年以上勤務し、20年以上、骨董品や掛け軸、美術品の買取業務に携わっております。骨董品、掛け軸、美術品の査定買取は三冬花にお任せください。愛知県(名古屋市)、岐阜県、三重県、滋賀県のお客様はお気軽にお問い合わせください。出張料、査定料など一切無料です。(※内容によってはお伺いができない場合もございます)
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