平野富山の略歴　(Hirano fuzan)

1911年3月7日	静岡に生まれる。本名：富三
1928年	彫刻家を志して上京、池野哲仙に師事する
1941年	斎藤素巌に師事する
1942年	第5回新文展に「女」で初入選
1958年	平櫛田中の「鏡獅子」の彩色を担当する
1959年	第2回新日展で特選受賞
1962年	第58回太平洋展で文部大臣賞受賞
1989年6月22日	死去。享年78

平野富山は1928年に彫刻家を志して上京し、池野哲仙に師事しました。1941年からは斎藤素巌に師事し、翌年の第5回新文展に「女」で初入選しました。この頃から昭和50年代初めまで「敬吉」の号を用いました。1943年の第6回新文展に「想姿」を出品した後、一時官展への出品が途絶えましたが、戦後の1949年の第5回日展に「若者」を出品して以降、一貫して日展に出品を続けました。1956年の第12回日展に「若人」を出品して特選を受賞し、1959年の第2回新日展で「裸婦」により再び特選を受賞しました。1958年からは日彫展にも出品を始め、1962年には第58回太平洋展に「習作T」「現」を初出品し文部大臣賞を受賞しました。団体展では塑像が多く、ブロンズ像を中心に制作しましたが、彩色木彫も行い、1958年には平櫛田中作「鏡獅子」の彩色を担当しました。彼は裸婦像を得意とし、若く張りのある肉体をなめらかなモデリングでとらえ、ポーズによって「流星」「かたらい」など、自然物や抽象的概念を暗示する甘美な作風を示しました。

平野富山の作風

平野富山は彩色木彫の名人です。「大黒天像」や「桃太郎の鬼退治」、「弁財天像」や「聖徳太子孝養之像」など、非常に精巧に彫られた木彫りに彩色を施し、美しい作品を完成させています。モチーフの衣装はすべて木彫りですが、近くで見ても木彫りだと気づかないほどです。彼の作品は、造形力の高さだけでなく、独特の色彩感覚の素晴らしさでも高く評価されています。木目の微妙な感覚を鋭敏に捉え、繊細な色づけを施すことで、作品に命を吹き込んでいます。その高い技術力と躍動感あふれる美しい作品の数々は、見る人の心を感動させ続けています。

平野富山の買取相場

平野富山の作品の買取価格は作品によって大きく異なり、最高で100万円に達することがあります。

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