坂口紀良の略歴　(Sakaguchi noriyoshi)

1948年	愛知県豊橋市に生まれる
1972年	東京芸術大学油絵科卒業
1977年	フランスへ渡る
1996年	ニューヨーク取材旅行
1998年	各地で個展。ウィーン、プラハ取材旅行
2012年	パリ取材旅行
2016年	南イタリア取材旅行
2017年	アマルフイ海岸の旅「坂口紀良油絵展」
2019年	死去

愛知県豊橋市で生まれ、1972年に東京藝術大学美術学部油画科を卒業。1974年に同大学院の修士課程を修了後、1977年に東京と富山で初めての個展を開催し、その後フランスへ渡りました。1983年には油絵大賞展に招待出品され、1992年からは大阪、名古屋、東京、富山、新潟、豊橋、広島、福岡、小倉、札幌など各地で個展を積極的に開催しています。1994年には南フランスとイタリアへ、1996年にはニューヨークへ、2000年にはイギリスへ、2002年にはローマへ、2006年にはギリシャへと取材旅行を重ねました。2009年には立軌会同人となり、2015年には日本橋髙島屋で個展を開催。2016年にはアマルフィ海岸で取材を行い、2017年には日本橋三越などで個展を開催しています。

坂口紀良の作風

坂口紀良の作品は、明るく透明感のある色彩が特徴的で、見る者に鮮烈な印象を与えます。彼は欧米各地を取材してまわり、その地の風景を切り取ったような作品を数多く手がけています。これらの風景画は、まるでその場に立ち会っているかのような臨場感を持ち、画中に込められた情景や雰囲気がひときわ際立っています。

また、彼は音楽とも深い親しみを持っており、その影響は作品にも表れています。しばしば楽器が画中に登場し、音楽のリズムや旋律が色彩や構図に反映され、視覚と聴覚が融合したかのような豊かな表現が見られます。特に、透明感のある色彩をさらに強調する手法として、ガラス絵の制作も行っています。この技法は、油彩画の習作としても用いられ、ガラスの透明感を活かして移ろいゆく光をとらえることが可能です。

ガラス絵の選択は、ただ単に光を捉えるためだけでなく、彼自身の「その瞬間の気持ち」を作品に封じ込めるためでもあります。そのため、ガラス絵には一瞬の感情や光の移ろいが透明な層の中に織り込まれ、見る者にとっては静謐でありながらも力強いメッセージが伝わってくるのです。こうした技法と表現により、坂口作品は見る者に深い感動を与え続けています。

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