加藤栄三の略歴　(Kato eizo)

1906年8月20日	岐阜県岐阜市の漆器商の三男として生まれる
1926年	東京美術学校日本画科に入学
1929年	第10回帝展で「夏日小景」が初入選
1931年	東京美術学校卒業、結城素明に師事
1936年	文展で「薄暮」が文部大臣賞を受賞
1945年	岐阜空襲により生家が全焼、作品のほとんどを焼失
1959年	日展で「空」が日本芸術院賞受賞
1969年	日展理事となる
1971年	第3回改組日展「流離の灯」出品
1972年5月24日	死去。享年65

明治39年9月に岐阜市で生まれた加藤栄三は、昭和6年に東京美術学校日本画科を卒業しました。在学中に「夏日小景」が第10回帝展に初入選し、卒業後は結城素明のもとで学びました。昭和11年の新文展に「薄暮」を出品し、文部大臣賞を受賞。昭和14年の第3回文展では「月夜」が特選を受け、昭和16年には無鑑査資格を得ました。

また、昭和18年には海軍報導班員として南方に派遣され、同年11月に海軍作戦記録画「設営隊」を完成させました。戦後、東京や京都の日本画家とともに創造美術の創立会員となり、創造美術が注目される中、昭和25年には橋本明治とともに創造美術を脱退し、翌年、日本橋高島屋で「二人展」を開催。「鮎・夕揺」などを出品しました。

昭和33年には第1回日展に出品した「空」で日本芸術院賞を受賞しました。また、官展のほか、東山魁夷や橋本明治らとの六窓会展や街の展観でも作品を発表し、活躍していました。昭和47年自宅の庭にあるかしわの木で首を吊り、自ら命を絶ちました。同じ月の中旬には日本橋三越で作品展を開き、好評を博していたが、新聞各紙では仕事の行き詰まりが原因と報じられました。

加藤栄三・東一記念美術館

岐阜市出身の画家、加藤栄三・東一兄弟の偉業を讃えて建てられたこの美術館には、両氏の多くの作品が収蔵されています。また、美術の普及や文化の振興にも貢献しています。岐阜公園内に位置するこの建物は漆喰の白壁と平板瓦の屋根が特徴で、金華山の緑と調和しています。加藤栄三は多くの風景画や花鳥画を手がけており、その作品は写実的でありながら、彼自身の感性も表現されていると言われています。また、加藤東一と共に、故郷の金華山や長良川を愛し、それらを題材にした作品も発表しています。

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