平川敏夫の略歴　(Hirakawa toshio)

1924年10月16日	愛知県豊川市に生まれる
1940年	京都の着尺図案塾に住み込みで入門
1947年	我妻碧宇主宰の新日本画研究会に学ぶ
1950年	第1回豊橋美術展で豊橋市民賞受賞
1952年	第4回展で奨励賞受賞
1954年	新制作協会日本画部新作家賞受賞
1980年	中日文化賞受賞
1983年	愛知県教育委員会文化功労賞受賞
1987年	豊橋文化賞受賞
2006年5月14日	死去。享年81

宝飯郡小坂井町（現在の豊川市）出身。京都の稲石着尺図案塾で日本画の基礎を学ぶが、戦争のためまもなく帰郷。1947年に新日本画研究会に参加し、中村正義とともに本格的に日本画制作を始める。1950年には正義の薦めで第3回創造美術展に出品し、その後も創造美術が新制作派協会と合併して新制作協会日本画部となった後も同展に出品を続ける。1974年には創画会の結成に参加。1980年に中日文化賞、1983年に愛知県教育委員会文化功労賞、1985年に東海テレビ文化賞を受賞。

平川敏夫の作風

初期の作風は素朴派を思わせる幻想的な表現で、主に漁村や夜の庭園、水辺の景色を描きました。やがて画面の色調は褐色系となり、陰影を強調した線でフォルムを際立たせる新たな表現様式へと進化します。

1960年に「白樹」を出品して以降、各地の原生林を訪ね、樹木を題材に生命の脈動と神秘を描くようになります。当初は冬枯れの樹枝が波打つ様子を描いていたが、やがて樹の枝を朱色で描く、燃えさかる炎のような作品を手がけるようになりました。

1970年代から1980年代にかけては、樹木のなかに古寺の塔を配置した連作を発表し、「塔は樹の魂」として画面内で象徴的な位置を占めるようになりました。

1980年代以降は、墨の濃淡を主体とした画境に到達し、従来の水墨画とは異なるマスキングによる「白抜き」の画法を用いるようになります。これにより、深閑とした雪庭を描く《雪后閑庭》や、紅葉の葉が幾層にも重なり合う無彩でありながら装飾美にあふれる《那谷寺仙境》などの作品を残しました。

平川敏夫の買取相場

日本画家の作品は出来不出来によって大きく変わります。描き込みが良く、展覧会などへの出品作は30万円までの最高値にいくこともありますが、はがきサイズの小品や水墨画の作品は数千円から数万円と価格が低くなる傾向にあります。

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