立石春美の略歴　(Tateishi harumi)

1908年5月16日	佐賀に生まれる。本名：春美（はるよし）
1927年	上京する
1928年	伊東深水に師事する
1931年	第12回帝展に「淑女」を出品、初入選する
1951年	朝倉賞受賞
1963年	日展審査員となる
1990年	日展参与になる
1994年4月27日	死去。享年85

明治41年5月16日、佐賀県に生まれた立石春美は昭和2年に上京し、翌年朗峯画塾で伊東深水に学びます。昭和6年、第12回帝展に作品「淑女」で初入選。以降、帝展や新文展に作品を出品し続けました。戦後は日展での発表を主とし、昭和21年第1回日展で「年寄」が特選を受賞し、昭和26年の第7回日展では「山荘の朝」で特選及び朝倉賞を受賞。昭和39年には日展会員に推挙され、後に評議員、参与も務めました。鏑木清方、伊東深水に続く美人画の名手として名を馳せ、美人画や人物画で名を成す一方、簡略化した構図で独自の領域を確立しました。

師、伊東深水について

伊東深水は歌川派の浮世絵の技術を受け継ぎ、日本画特有の柔和な技法で美人画を描き、高い評価を受けています。美人画以外のジャンルにも挑戦したいと願いましたが、注文が少なく、一時は困惑しました。しかし、妻・好子をモデルにした多くの大作を発表し、成功を収めました。戦後は美人画に加え、オリジナルの日本画も手掛け、その人気により作品は版画として広く流通しました。

彼は活字工、石版画工として働きつつ、中山秋湖から日本画を学び、13歳で鏑木清方の門下に入り、「深水」の号を得ました。16歳で院展に初入選し、若くして画家として名声を確立しました。1916年、渡邊庄三郎の目に留まり、木版画「対鏡」を制作し、新版画運動で重要な役割を果たしました。彼の風景画、特に初期の作品も高く評価されています。彼の子供たちには、日本画家の伊東万燿と女優の朝丘雪路がいます。

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