近藤悠三の略歴　(Kondo yuzo)

1902年2月8日	京都市清水寺下に生まれる。本名：雄三
1917年	京都市立陶磁器試験場付属伝習所轆轤科卒業、助手として勤務
1921年	富本憲吉に師事
1928年	第9回帝展で初入選
1956年	第3回日本伝統工芸展で日本伝統工芸会賞を受賞
1965年	京都市立美術大学学長
1970年	紫綬褒章受章
1973年	勲三等瑞宝章受章
1977年	重要無形文化財「染付」の保持者に認定
1980年	紺綬褒章受章
1985年2月25日	死去

近藤悠三は京都市清水寺下で生まれ、祖父の正慎は清水寺の寺侍でした。

1924年から関西美術院洋画研究所でデッサンや洋画を学びながら、清水新道石段下に窯を構えて制作を始めました。この頃は染付の他に、釉裏紅や象嵌などの技法も用いて作品を発表していました。

1928年の第9回帝展で初入選し、以後13回連続で入選しました。また、文展などでも多くの作品を発表し、1950年には第6回日展で審査員を務めました。1955年に日本工芸会に所属し、1956年には「山水染付壺」で第3回日本伝統工芸展日本伝統工芸会賞を受賞しました。

1956年には岐阜県多治見市で志野焼の研究を始め、その後は染付の制作に専念しました。彼の筆遣いはつけたてとぼかしを基調とし、ザクロや梅などをモチーフに絵画的な表現を行いました。1960年以降、呉須染付に赤絵や金彩の技法を併用し、独自の作風を確立しました。

1970年に紫綬褒章、1973年には勲三等瑞宝章を受章し、京都市文化功労者として表彰されました。1974年には京都府美術工芸功労者として表彰され、1977年には重要無形文化財「染付」の保持者（人間国宝）に認定されました。1980年に紺綬褒章を受章し、1982年には京都市名誉市民となりました。

染付について

中国の陶磁器の一種で、白磁に藍色の下絵を描き、透明の釉薬をかけて焼き上げたものは「染付」と呼ばれ、中国では「青花」と呼ばれています。この技法は宋代末期に始まりましたが、元代中期に発展し、西アジアやヨーロッパにも伝わりました。

宋代の中国では、青磁や白磁が製造されていましたが、模様を描くことはありませんでした。これは磁器に墨で上絵を書いても、高温で焼くと流れてしまうためです。一方、西アジアではコバルト顔料を使った技法があり、これが元代の中国に伝わり、模様を描くことが可能になりました。

元代後半には、景徳鎮で青色の染付が大量に生産され、中国の主要な輸出品となりました。明代には、染付の生産が増え、赤絵（五彩）も加わり、さらに隆盛しました。

染付は、白色の胎土で成形した素地に酸化コバルト(II)の絵の具で模様を描き、その上に透明釉をかけて高温で焼成した陶磁器です。模様は藍青色に発色します。日本では、この絵の具を「呉須」と呼び、江戸時代には「茶碗薬」とも呼ばれました。

中国では、輸入されたコバルト顔料が使われており、元末から明初には西南アジアからの輸入品が多く使われていました。近代以降はドイツ産の人工コバルトも多く使用されています。

日本では、磁土を一度素焼きし、呉須で図柄を描いてから透明釉をかけて再度焼成するのが一般的です。中国では、素焼きをせずに生地に直接呉須で図柄を描き、透明釉をかけて焼成する方法が一般的です。ただし、極端に薄い磁器は素焼きされ、生掛けは初期伊万里でも見られます。

査定、買取のご相談はこちらから0120-772-316買取、査定はお気軽にご相談ください。

メール・写真でのお問い合わせはこちら MAIL：santouka@tanizaki-art.com

三冬花で買取できる美術品や骨董品

絵画

掛け軸

古美術品