加藤舜陶の略歴（Katō shuntō）

1916年7月13日	製陶業を営む家の長男として愛知県に生まれる。本名：辰(しん)
1933年	愛知県立窯業高校卒業
1960年	日展特選・北斗賞受賞
1987年	勲四等瑞宝章受章
1990年	日展で内閣総理大臣賞受賞
1991年	日本新工芸展で内閣総理大臣賞受賞
2005年6月24日	死去。享年88

「陶芸は深遠なる遊びである」──この言葉を掲げて生涯を貫いた陶芸家が、愛知県出身の加藤舜陶さんです。大正5年生まれ。地元・愛知県立窯業高校を卒業し、陶芸の道に進みました。その実績は輝かしく、日展特選・北斗賞、内閣総理大臣賞（2回）、さらにはブリュッセル万博でのグランプリ受賞と、数々の名誉に包まれています。彼の作品はソ連やベルギーの美術館にも所蔵され、天皇陛下の御使用食器も制作。愛知県文化功労賞、勲四等瑞宝章なども受章し、県指定の無形文化財保持者として、瀬戸の陶芸界を長年牽引してきました。

家系は、加藤作助家の分家筋にあたる由緒ある陶家で、祖先は慶長年間に開窯した景元十世にあたるとされます。そんな歴史ある家に生まれた舜陶さんは、赤津焼の伝統技術を幅広く継承。灰釉・古瀬戸・志野・織部・御深井など、あらゆる釉薬を自在に操り、古雅で素朴ながら洗練された作風で多くの賞を手にしました。

中でも代表作「灰釉刷毛目茶碗」は、生地に刷毛目を施し、焼成後には淡くピンクが差す窯変が見られる、やわらかく温かな逸品。御深井釉には棒文様を好んで描き、上品さの中にも躍動感と新しさが息づいています。

舜陶さんは、芸術とは「真剣な遊び」であると語り、「遊びのない作品は面白くない」と断言。その遊び心が、作品にゆとりと魅力をもたらすのだといいます。茶碗においても、見た目だけではなく、手に持ったときの動きや空気感、そして何より“侘び寂び”をどう表現するかを大切にしてきました。

晩年には、半世紀かけて中国などで収集した古陶磁140点を愛知県陶磁資料館に寄贈し、2000年からは「加藤舜陶古陶磁コレクション展」として一般公開しました。

「人生もまた、深遠なる遊びだから」──その言葉どおり、加藤舜陶さんは土と火、そして心と遊ぶことで、自らの人生を豊かな芸術で彩っていったのでしょう。

査定、買取のご相談はこちらから0120-772-316買取、査定はお気軽にご相談ください。

メール・写真でのお問い合わせはこちら MAIL：santouka@tanizaki-art.com

三冬花で買取できる美術品や骨董品

絵画

掛け軸

古美術品