濱田庄司の略歴　(Hamada shoji)

1894年12月9日	神奈川に生まれる。本名：象二
1916年	東京高等工業学校窯業科卒業、京都市立陶芸試験場で釉薬の研究を行う
1920年	渡英しコーンウォール州セントアイヴスにて築窯
1923年	ロンドンにて個展開催
1924年	帰国し沖縄・壷屋窯などで学ぶ
1930年	栃木県益子に移り住み、作陶を開始
1955年	初の重要無形文化財に指定される（民芸陶器）
1964年	紫綬褒章受章
1968年	文化勲章受章
1978年1月5日	死去

現在の神奈川県川崎市で生まれた濱田庄司は、1913年に東京高等工業学校（現在の東京工業大学）窯業科に入学し、そこで河井寛次郎と親交を持ちます。卒業後、河井と共に京都市立陶磁器試験場で働き、1919年には柳宗悦と出会い、バーナード・リーチと共にイギリスのセント・アイヴスへ渡英し、作陶活動を行いました。帰国後の1924年には京都で河井寛次郎と柳宗悦を引き合わせ、同年栃木県益子へ移住し、その地を活動の基盤としました。

濱田庄司は、柳宗悦や河井寛次郎と共に民藝運動を推進する中心人物であり、実践者としても活動しました。彼は物心両面から民藝運動を支え、1961年には柳宗悦の死後、日本民藝館の館長に就任しました。日本民藝館には彼の作品が約450点所蔵されており、益子で制作された土と釉薬を使用した作品が多数含まれます。濱田の得意とした技法には流掛、赤絵、塩釉があり、彼が施した「黍文」と呼ばれる独自の文様の作品は、どれも力強く健康的な美しさを持っています。

民藝運動について

1926年（大正15年）、柳宗悦、河井寛次郎、浜田庄司によって提唱された民藝運動は、生活文化に焦点を当てた運動です。この時期の工芸界は装飾が豊かな観賞用作品が中心でしたが、彼らは日常で使われる一般職人による生活道具を「民藝」と呼び、これらにも美術品と同等の美しさが存在すると主張しました。彼らは、美は日々の生活の中に存在するとし、地域ごとの風土に根ざした民藝品が持つ「健全な美」を通じて、新たな美の見方と価値観を提案しました。また、工業化の進展と大量生産品の普及に伴い、日本の伝統的な手仕事が失われつつあることに対して警鐘を鳴らし、単なる物質的豊かさを超えた真の豊かな生活を探求しました。

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