林正太郎の略歴　(Hayashi shotaro)

1947年	岐阜県に生まれるれ、美濃焼の窯元で育つ。
1968年	岐阜県美術展で最高賞を受賞。
1979年	日本工芸会正会員に認定される。
1993年	美濃陶芸展大賞受賞。
1994年	美濃陶芸展加藤九兵衛賞を受賞。
1997年	美濃陶芸展庄六賞を受賞。
2002年	土岐市指定重要無形文化財保持者に認定される。
2012年	岐阜県重要無形文化財保持者に認定される。

美濃陶芸会には特別三賞と呼ばれる賞があります。平成11年には「特別永年保存」が加わりましたが、これらの賞は美濃陶芸界に貢献した作家に贈られます。「幸兵衛賞」はその功績を称える賞であり、「美濃陶芸大賞」は美濃陶芸展の最高賞、そして「庄六賞」は美濃陶芸協会の会員が出品した茶碗の中から選ばれる賞です。これら三つの賞を、平成5年、6年、9年と次々に受賞したのが林正太郎氏です。

林氏は、土岐市下石にある染付磁器や碍子を作る窯元の三男として生まれました。当初は陶芸の道に進むつもりはなく、繊維関係の会社に就職しましたが、サラリーマンの気質に馴染めず、やがて陶芸を志すことになります。彼が志野に取り組むきっかけとなったのは、荒川豊蔵氏の「氷梅」に感銘を受けたこと、そして個展で「美濃の作家なら志野がふさわしい」と顧客に言われたことでした。しかし、穴窯を築くための場所や資金もなく、ガス窯を使って試行錯誤を重ねながら挑戦を続けました。

近年の「万葉彩」は、薄紅や青、黄などの美しい黄瀬戸釉の発色と質感によって、移ろう自然の風景を幻想的に表現した作品です。また、「万葉志野」では長石釉を重ね、梅華皮や緋色を効果的に取り入れています。

美濃焼について

岐阜県東南部の流域にある多治見・土岐・瑞浪の三市と、隣接する笠原町や可児市などで生産される陶磁器は、総称して「美濃焼」と呼ばれています。美濃焼は、平安時代までさかのぼる長い歴史を持ち、幾重にも連なる東濃地方の山並みに囲まれ、蛇行しながら南西方向へ流れる土岐川の恵みを受けて発展しました。
美濃焼の黄金期を迎えたのは、安土桃山時代の頃でした。当時、日本文化が大きく華やかに花開き、茶の湯が盛んになる中で、美濃の地でも茶人の好みを反映した独創的な茶陶が誕生しました。

特に「織部」「黄瀬戸」「瀬戸黒」などの様式が生まれ、それぞれが異なる個性を持つ美濃焼を代表する作品となりました。

美濃焼の多様な様式
・織部焼 – 破格で自由な造形が特徴的で、幾何学模様や大胆なデザインが施された作品が多い。
・黄瀬戸焼 – 淡い黄色の釉薬が特徴で、繊細な草花文様が描かれた上品な器が多い。
・瀬戸黒焼 – 深い黒釉が特徴で、茶の湯において「一期一会」の精神を象徴するような独特の美しさを持つ。

これらの茶陶は、桃山時代から江戸時代にかけて発展し、多くの茶人や武将に愛されてきました。

林正太郎の買取実績

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