渡辺小崋の略歴　(Watanabe shoka)

天保6年(1835)2月4日	江戸麹町に渡辺崋山の次男として生まれる
天保12年(1841)	父、崋山が自害
弘化4年(1847)	13歳で江戸に出る
嘉永4年(1851)	江戸田原藩邸で世子三宅康寧のお伽役として絵画の相手を命じられる
安政3年(1856)	兄・渡辺立が急逝したため、家督を相続する
明治7年(1874)	豊橋に移り住んで画家として生計を立てる決意を固める
明治6年(1873)	ウィーン万国博覧会に「果疏図」「鶤鶏図」を出品する
明治10年(1877)	第一回内国勧業博覧会において「烟草綿花ノ図」で花紋賞を受賞する
明治17年(1884)	東洋絵画会を結成する
明治20年(1887)12月29日	腸チフスに感染し、死去。享年53

小華は崋山の次男として江戸の麹町で生まれました。崋山が亡くなった時、彼はまだ7歳だったため、父からの影響は多くなかったようです。その後、弘化4年（1847年）に13歳で田原から江戸へ出て、椿椿山の画塾「琢華堂」に入門し、花鳥画の技法を学びました。長兄の立が25歳で早逝したため、小華は渡辺家の家督を継ぎ、幕末の田原藩で家老職を務め、廃藩後は参事として要職に就きました。彼の花鳥画は独自の世界観を持ち、明治宮殿の宮内庁に杉戸絵を遺し、東三河や遠州の芸術家たちに大きな影響を与えましたが、53歳で病気により亡くなりました。

父、渡辺崋山について

崋山は、江戸麹町半蔵門外（現在の最高裁判所付近）の田原藩上屋敷で生まれました。幼少期から絵に親しみ、家計が困窮していた中で画家として生計を立てることを決意しました。谷文晁の門下に入り、作画には教養が必要だと感じて学問に志すようになりました。後に蘭学への興味が西洋画への傾倒につながりました。その結果、西洋画の遠近法や陰影を理解して描いた立体感のある肖像画などが生まれました。また、蘭学を通じて西洋の事情を研究し、藩務の改革に取り組むことで日本の現状を把握し、強い批判思想を持つようになりました。そして、「蛮社の獄」に巻き込まれて自刃することになりました。

崋山の芸術は、彼の劇的な生涯と結びついて語られることが多いです。彼の作品には、「邯鄲の枕」を題材にした「黄梁一炊図」や、日本の海防状況を批判した「千山万水図」、日本の本当の敵を示唆した「鶴捉魚図」などがあります。これらの作品は、文人の知性と現実の乖離を読み取ろうとするものです。

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