下呂市 円空館で何が見られるか
岐阜県下呂市にある「円空館」は、飛騨地方に多くの足跡を残した円空上人の造形・書跡・資料を体系的に展示する学術・文化施設です。一本の鉈のみで刻まれる素朴な円空仏、その背後にある祈りと生涯の歩み、修験と救済の思想を深く知ることができます。
- 飛騨地方に伝来した貴重な円空仏の展示
- 墨書・歌稿・古文書など円空の精神世界を示す資料
- 円空の生涯を追う年表・地図・行脚ルート
- 母への祈りと救済思想を示す展示解説
静謐な空間で円空と向き合う時間は、現代を生きる私たちにも深い安らぎと発見を与えてくれます。


円空館は円空仏も展示してあります

美濃国百小竹(現在の岐阜県周辺)には、かつて「窟聖(いわやのひじり)」と尊ばれた円空上人がいました。上人は人々を救いたいという強い慈悲心のもと、山々を巡り歩き、仏法に疎い民衆を教化しながら、生涯の住処を定めず雲のように諸国を行脚しました。遠く蝦夷地にまで足を延ばし、その旅の途上で常に仏像を彫り続けたと伝わります。
円空歌集の発見

昭和33年、高賀神社の古文書の中から約500首の円空歌が見つかり、続いて昭和35年に追加発見があり、総数は1600首以上に及ぶとされます。
歌は経典の表紙裏に貼り付けられていたため、虫食いや破損が激しく、研究者は一字ずつ正確に読み取り、丁寧にフィルム化して復元しました。
円空が山河・神々・仏・人々の暮らしを詠じた歌は、素朴でありながら深い精神性を備え、彼の心のありようを知る貴重な文化遺産です。
円空ー 母への鎮魂

円空の出家の動機は、幼い頃に母を亡くした深い悲しみにあったと伝えられます。「母の魂はどこへ行ったのか」「成仏できるのか」その答えを求め、少年円空は人々に問い続けたといいます。
志摩市片田では『大般若経』六百巻の修復に携わり、その第一巻に二匹の龍と八歳の童女を描き加えました。これは『妙法蓮華経・提婆達多品』の“女人成仏”を象徴する娑羯羅竜王の娘の姿。
円空はこの教えに触れ、
「母は必ず成仏している」
と確信したと考えられます。
円空館では、こうした円空の精神と作品世界を、展示を通して深く知ることができます。下呂温泉からも気軽に立ち寄れる場所にあり、観光と文化を同時に楽しめる人気のスポットです。飛騨の自然と、円空の祈りの心に触れる旅。円空館はその入口となる、かけがえのない場所です。
美術三冬花では円空の作品を買取しております。骨董品や美術品の買取・査定は三冬花にお任せください。
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